あなたは尊敬と依存を取り違えていませんか

最近、投資に向かって進めている案件に、どれだけ口を出していくかという線引きがとても難しいなと感じるようになりました。わたしは基本、「起業家のプランには、できる限り影響を与えない」ようにしたいと思っています。

そのため、よほど求められたり、危険だと感じるのでない限り、(特に初期段階においては)ほとんど口を出さず、見守るのみとなります。単体の事業であれば、今のところそれで問題となることはありません。しかし、これがグループとの相乗効果を生む事業などの場合は、すこし話が変わってきます。

新しく出資する会社が、すでに出資を行っているグループ会社と、何らかの形で絡むことになることが明確な場合には、出資実行前からグループ会社の社長たちにも会ってもらうようにしています。その中で、アイデアが豊富な社長たちから「こうしたらいいのに何故しないの」とか「私ならこうするな」と、屈託ない意見が出されることは珍しいことではありません。

これはとても良いことだと思いますし、多くの場合結果にもつながります。また、これこそグループの相乗効果のひとつでもありますので、とても嬉しい事です。しかし中には、一度自分に意見をしてくれて「この人は素晴らしい」と感じたら、その人の言うことをなんでも聞いてしまうイエスマンになってしまう起業家もいるのです。

それはまさに、先輩と後輩のような関係です。確かに「経営者」としてみれば、先輩と後輩ですから、特におかしなこともないのかもしれません。しかし経営者(起業家)は、「最終的な責任は自分で取る必要がある」のですから、たとえ相手が、経営者としては先輩であったとしても、その人に依存してしまうのはよくないと、わたしは思います。


とはいえ人間は弱い生き物です。特に弱っている時には、誰しも誰かに頼りたくなるものです。そしてそれは、起業家であっても同じでしょう。初めて起業したり出資を受けたりして、不安な気持ちだからこそ、依存したいという気持ちが首をもたげるのは、よく理解できます。

しかし、せっかく自分で判断することができる起業家として、歩を進め出したのですから、依存ではなく共存の関係を続けていけたらいいなと思います。

ちなみに出資する予定の起業家に、このような「依存体質」が見られてきた場合には、「あなたが軸だから、ほかの人に依存せず自信を持って進めていいんだよ」と伝えるようにしていますが、やはりこの辺りの線引きは難しいなと感じます。

さて、いま現在はこのように考えていますが、わたしは少々厳しすぎるのかもしれません。また、これはわたし自身の成長とともに、変わっていくかもしれません。あなたはどう思われますか?ご意見を聞かせてくださいね。また、共に歩みたいという起業家の方も、投資面談でお待ちしていますね。


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