お金がたくさん落ちている場所に隠された罠

特にニッチな分野で、思うような売り上げを上げることができなかった経験がある起業家に多い勘違いに、「ターゲットが狭いことが失敗の原因だった」というものがあります。そして次に起業する際には、もちろん「ターゲットが広い市場」を狙いに行きます。

また、それがニッチな市場からの転身ではなかったとしても、例えば地方の飲食店で失敗した人が東京へ出店したり、日本の市場でうまくいかないからと中国やアメリカをターゲットにしようとするのも、基本的には同じ考え方です。

このような再挑戦による起業の結果は大抵の場合、残念ながら失敗することになります。それはなぜでしょうか?

それは「ターゲットの数に比例して、競合がいることを忘れている(または知らない)」ためです。一度ニッチな分野で起業した起業家は、自分がいた市場が狭かったが故に、競合を意識するという感覚が抜け落ちていることも少なくありません。

もしかするといままでの市場は、自分一人だけが独占しているような状態だったかもしれません。誰しもそのような状態に、長い期間身を置いていると、その環境に馴染んでしまいます。そのため、競合を意識しなくなってしまうのも、ある意味仕方がないことかもしれません。

ところが実際には、それほど甘くはありません。市場が大きくなればなるほど、その中で儲けることができる金額が大きくなるのは誰が見ても明らかなのですから、敵が少ないわけが無いのです。


大手企業もたくさんの広告費を使って参入してくるでしょうし、少し資金に余裕ができた中小企業やIT企業なども、新規事業としてドンドン参入してくるかもしれません。

もっと理解しやすいように、ズバリ言うとすると「お金がたくさん落ちている場所には、それを拾いに来ている人もたくさんいる」ということです。

そして、その「お金がたくさん落ちている場所」で生き残っていくためには、「そのお金を拾いに来ている(大手などを含む)ほかの人からではなく、あなたから物やサービルを買わなければいけない理由」を、たくさん用意してあげる必要があるでしょう(差別化や区別化とも言います)。

たったこれだけのことが出来ないだけで(実際は口で言うほとんど簡単ではありませんが)、せっかく新しい分野で起業したにも関わらず、また失敗して撤退せざるを得なくなるのです。

さてもし、この記事を読んでくださっているあなたは大丈夫でしょうか?もし、いま立てている事業計画において、同じように「市場は広いから大丈夫だろう」という楽観論が基本となっているのだとしたら、いますぐ見直してから起業するようにしてくださいね。


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