「信じる」を怠慢への言い訳にしていませんか?

わたしは投資対象を選ぶ際に、できれば現金で集金する必要のないビジネスモデルがいいと思っています。なぜなら、現金を管理する手間が増えるからです。

現金を扱っていると、起業家たち創業メンバーだけのときはまだマシですが、次第に人数が増えてくると、売上を横領したり個人的なキックバックを取り出したりする人が、(残念ながら一定割合で)現れてきます。

中には「わたしは従業員を信じたいので、従業員を疑うような仕組みは作りたくありません」とおっしゃる起業家もおられます。その気持ちも判りますし、わたしも基本はそう思っています。

しかし、どうもわたしには、そうおっしゃる起業家の多くが、「十分な管理を行わない自分への言い訳」として「信じる」という言葉で済ませてしまっているように思えてなりません。

わたしが従業員のためを思うなら、どちらかというと、きっちりとした仕組みを作っておいてあげることで、従業員に出来心を起こさせないほうが、従業員のためでもあると思うのです。

さて、ここで少し話は変わりますが、従業員に横領された売上やキックバックでも、税務監査でそれらが会社の利益であると判断されると、(会社は損失を被っているにもかかわらず)追加で税金を納める必要があることもあります。


またあなたの会社に出資している株主が、起業家のあなた以外にいる場合には、あなたの代表者としての管理責任を追及されてしまうこともあるかもしれません。

このように総合的に考えると「信じる」という言葉だけで済ませているのが、どれほどリスクがあるかが判るのではないでしょうか。

そのためもし、あなたが「従業員を信じたい」という理由で、ずさんな現金管理を行っているとしたら、それは今すぐに改善すべきだとわたしは思います。

ここまでの話をみると、わたしなかいは(例えばカフェや飲食店のように)現金を扱う会社に出資をしないかのように思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

実際、現在出資している会社には、ほぼ100%の売り上げを現金で扱う会社もあります。しかし、売上を担当者が誤魔化したり、個人的にバックマージンなどを受け取ることが出来ない仕組みにしています。

ですから、 もしあなたが現金を扱う新規事業への出資を希望していても、ガッカリしなくても大丈夫です。最初から完璧な起業プランでなくても構いませんので、勇気を持って一度投資面談に申し込んでみてくださいね。お待ちしています。


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