学歴も社会経験もない主婦でも起業できますか

周期的に「こんな学歴も経験もない私でも、起業することができるでしょうか」というご質問を頂くことがあります。大学にも行ってないし、若くして結婚して主婦になり、その後パートなどは経験したものの就職して会社員になったこともない女性の起業家予備軍などに多い質問です。

このような質問を頂くと、いつも違和感を感じるのですが、わたし達は生活しているなかで、どれほど相手の学歴や職歴を気にして生きているでしょうか(家庭教師や予備校の講師は別ですよ)。

例えば、あなたが夕方スーパーに買い物に行って最高級の牛肉が特売になっていたとします。あなたはその肉を持ってレジに並び、お金を払う前にレジに立っている女性に向かって「このお店の経営者の学歴が高ければ、このお肉を買いたいと思うのですが、学歴を教えてくれませんか?」と尋ねるでしょうか。

またあなたが前から欲しかった服や化粧品が、ある会社のポイントを使って無料で手に入ると判ったとき、あなたはその会社のコールセンターに電話して「例え無料であっても、あなたの会社の社長の前職や職歴を教えてもらえないなら、そのような会社から商品はもらえません」と言ったりするでしょうか。

きっと(いや絶対に)そんなことはないはずです。あなたは特売になっている最高級の牛肉を喜んで買うでしょうし、ポイントを使ってすぐさま欲しかった服や化粧品をもらうでしょう。なぜなら、あなたにとってその店や会社の経営者の学歴や職歴よりも、「自分にとって良いものを提供してくれるかどうか」のほうが大切だからです。


勘の良いあなたなら、もう気づかれたでしょう。そうです、これは立場が逆になっても同じなのです。つまり、あなたが起業家の立場になった時にも、「買う人にとっては、あなたの学歴や職歴はどうでもいい」と言うことです。

起業家のあなたが、買い手(つまり顧客)が必要とするもの、欲しがるものを提供することができれば、あなたが中卒であっても(実際わたしは中卒です)、社会経験が少なくても、就職せずに結婚した主婦でも、顧客にとっては何の関係もありません。

ただ、彼(彼女)たちが気にしているのは、次の一点です。それは何度も繰り返し言いますが、「あなたやあなたの会社やお店が、自分にとって魅力的なものを提供してくれるかどうか」だけです。考えてみれば当然なのですが、どうしても人間のコンプレックスは全てにおいて消極的な思考を誘発していまいますので注意が必要ですね。

この裏返しは「高学歴ゆえの自信」です。残念ながら、学歴が高いことと、起業して成功することは何の関係もないとわたしは思っています(学歴コンプレックスのあるわたしのヒガミかもしれません)。そのため、逆に高学歴の方も気をつけて置く必要があるでしょう。低学歴や高学歴に関わらず、大切なのは「あなたの提供するもの」だけなのです。


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