個人事業主に出資することはできますか

個人事業主に出資できますかとよく聞かれます。結論から言うと「もちろん出資は可能です」となります。しかし、個人事業主のまま出資が可能かというと、それは難しいかもしれません(逆になにか方法があれば、教えて頂きたいです)。

なぜなら個人事業主には「出資」という概念がないからです。投資家に限らず自分以外の第三者からの資本を受け入れる(出資してもらう)ということは、そのお金を引き換えに所有権の一部を渡すことを意味します。

例えば株式会社であれば、投資家の出資した比率に応じて株式会社の所有権を「株」という形で渡すことになります。しかし個人事業の場合はどうでしょうか。個人事業主が同じようにしようとすると「個人の所有権を出資比率に応じて渡す」というような事になってしまいます。

これでは、投資契約ではなく、奴隷契約となってしまいますね。またもし仮に、そのような奴隷契約のような契約を締結して出資したとしても、このように公序良俗に反する契約は、憲法及び民法から見ても違法となりますので、契約自体が無効です(守る必要さえありません)。

このような理由で通常は、個人事業主のまま出資することはせず、新しく法人を設立して、その法人に対して出資し、個人事業主としていた事業を引き継いて、その新しい法人で事業を行うことになるのです。


ここまでお話すると「最初に法人を設立するお金がないから、出資してもらうのは無理ですね」と諦めてしまう人もいるようです。しかしそんなことはありません。新規の法人を設立するための登記費用や手数料などは、通常出資したお金から支払います。例えば、私とあなたで合わせて300万円を出資したとすると、その中から登記に必要な資金を出すのです。

そのため個人事業で、まだ法人を設立していないからと言って出資が受けられないわけではありません。会社設立に必要な資金(登録免許税や司法書士や行政書士への手数料など)を全て合わせたものが「起業資金」です。そしてその起業資金を出資するのです。ここを間違えないようにしてください。

とはいえ個人事業でスタートし、「そろそろ軌道に乗ってきたので法人化したい」という人のほとんどは自分で資金を用意できることでしょう。しかし、なんらかの理由で投資家を募る必要があるときは、以上のことを念頭に置いて投資家を探してみるといいでしょう。

もちろん、私自身も個人事業主から法人成りされる方への出資(投資)も積極的に行っていますので、ぜひオンライン面談から申し込んでお話を聞かせてくださいね。お待ちしています。


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