グループ会社の社長との昔話から感じた「起業家に必要な素質」

私は個人でエンジェル投資を行っていますし、誰かのお金を預かって運用している訳でもありませんから、投資案件について出資を行うかどうかの決断は自分ひとりで行います。

しかし、決断するまでの参考のために、既に出資している会社の社長たちの持つ経験や知恵を借りることがあります。もちろん、現在行っている事業とシナジー(相乗効果)があれば、どちらにも利益がありますので、グループとしても嬉しい事です。

一見すると成功しそうに思えるビジネスモデルも、経験者からすると「いやいや、ここでキャッシュフローが悪くなる(現金が不足する)からそれを加味して余剰資金を見ておいたほうがいいよ」とか、「私も同じことをしたけど、こんな理由で利益が出ないよ」ということもあります。

そのため、ちょっと気になる起業家がいたり、投資だけでなく協業の道を模索したりするときには、グループ会社の社長に時間を取ってもらうことがよくあるのです。

そして今日も、ちょっと相談があって既に出資しているグループ会社の社長に時間をとってもらっていろいろと話しをしているなかで、ちょうどその社長と私が出会って、出資を決めた当時の話が出てきました。


出資当時には見えていなかったビジネスモデルの穴や、それによって起こった事件、そしてそこから柔軟に対応してピンチを切り抜けたことなどを振り返ると、なかなか考え深いものがありました。

どれだけ経験に基づいて計画を立ててスタートしても、なかなか思うように進まない事は、何も珍しいものではありません。もちろんそのような事が無いに越したことはありませんが、そうなってしまった時にどうやって最小限の傷で食い止め、柔軟に軌道修正し再起不能にならずに復帰できるかが起業家に求められる素質の一つだと思います。

とはいえ、最初から完璧な人はいません。もちろん失敗や挫折も経験するでしょう。でも大切なのはそこで腐らず諦めず、最後まで立ち上がることができるかではないでしょうか。それを繰り返すうちにどんどんと起業家に必要な精神や素質を身につけていくことになるでしょう。

そして、そうやって育った頼もしい起業家や起業家予備軍の方へ投資し、また今日の社長との話のように過去の苦労話を一緒にするようになるのが私の楽しみの一つでもあります。さあ、あなたも一歩を踏み出してみませんか。


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